ホットセッション

第25回ホットセッション
  現場が喜ぶプロセス診断
      〜 現場のプロセス改善のためのプロセス診断 〜

【講演1】-----------------------------------------------------------------
「継続は力なり:プロセス診断を組織に根付かせるには」

小笠原 秀人(おがさわら ひでと) 氏
株式会社東芝 ソフトウェア技術センター

 はじめに、小笠原氏の在籍する東芝におけるSPI 活動の推進方法について、2000 年度から2010 年までを約3 年ごとの期に区切った長期戦略についての紹介があり、現在の活動が第二期の「SPI 定着を目指したSPI 活動の継続」に位置づけられ、SPI フレームワーク、SPI コミュニティを広げるための活動、IDEAL モデル、診断フェーズの紹介があった。
 次に、「各社独自のプロセス診断」として3 社の事例とアセスメントの比較について紹介された。
 続いて「問題解決を出発点とした進め方」としてワークショップを中心とした改善活動の流れとして、問題の洗い出しと改善のサイクルを回す活動と開発工程に着目したワークショップの進め方の事例に言及した後、プロセス診断スキルとノウハウの蓄積方法の成果について報告があった。
 そして、プロセス診断を有効に活用するために、改善と継続の必要性、プロセス診断推進者のスキルアップ、プロセス診断受診部門においては自らの活動の一部分として受け止めて欲しいというメッセージで締めくくった。


【講演2】-----------------------------------------------------------------
「われわれは自分/自分達との戦いに勝つことができるのか
〜プロセス改善で本当の喜びを獲得するためのポイント〜」

安達 賢二(あだち けんじ)氏
株式会社HBA 経営管理本部 品質・セキュリティ推進部 参与

 現状をありのまま受容し、自分との戦いに勝ち、自らを変えていかないと、プロセス改善によって喜びを得ることができない。喜びとは何かを考えながら、本当の喜びを得るための極意について説明が行われた。話は、武士道精神との共通性にまで及ぶ。
 喜びは、社会的な意義が大きな到達目標に対して志を持ち、困難を克服して達成することによって、自らの価値観が充足されることで、味わうことができる。そして、診断は、物事の実状を調べて、その適正や欠陥の有無を判断することである。ありのままを把握しないと、判断を誤ることになる。
 プロセス診断に喜びは、プロセス改善によって成果を獲得したことを確信することで得られる。喜びを得るためには、本質的で高い目標を持っていること、改善には継続性が必要であることを認識していること、ありのままを受容できること、やりぬく行動力を持っていること、苦しくても好きで楽しんで取り組めることが必要である。
 改善活動には、いろいろな阻害要因が存在する。阻害要因を排除し、成果にさせるために、次のような取り組みが必要であると紹介された。(1) 上長の率先、(2) 事実に基づく現状の認識共有、(3) 成功の基準を自分の内面に置く、(4) 緊急よりも重要なことを優先する、(5) 小さな成功を積み重ねる、(6) 改善の対象を行動だけでなく価値観にまで踏み込む。
 最後に、各界著名人の言葉を借りて、成果そのものではなく、成果に向けて努力することで、それに関わる人々の人間性や組織文化が向上することの重要性を紹介して締めくくった。

【講演3】-----------------------------------------------------------------
「AutomotiveSPICEによるソフトプロセス革新の動向と事例」

本田 勝巳(ほんだ かつみ)氏
日本電気株式会社コンサルティング事業部、上席ビジネスコンサルタント

 自動車の競争軸が「走る・曲がる・止まる」という基本性能から、「環境対応」「安全性」「快適性」にシフトすることに伴って、自動車における「エレクトロニクス技術」や「IT・NW技術」の重要性が高まってきている。ソフトウェア開発が複雑化した結果、カーメーカーから2ndサプライヤまでを貫くV字プロセスが分断してしまっている。これを解決するために考えられた組織横断的V字モデルがAutomotiveSPICE(A-SPICEと略す)である。
 A-SPICEは、車両ソフトウェア開発プロセスのフレームワークを定めた業界標準のプロセスモデルで、車両開発プロセス全体の「あるべき姿」を定義している。A-SPICEは、「31種類の実施すべきこと」と「5種類の実施できている状態」で表現される2次元モデルである。次のような3つの特徴がある。(1) 組織ではなくプロジェクトを対象、(2) 顧客から外注先まで、システムからソフト単体までをスコープ、(3) 上位要件からテスト項目までのトレーサビリティを確保。
 CMMIは、成熟度レベルごとに決められたプロセス全てについて、達成すべき事柄が決められているが、A-SPICEでは企業ごとで実態に合わせて目標とすべきプロセスとレベルの組み合わせを決める。
 CMMIによる基礎体力向上と、A-SPICEによる課題解決をバランスよく取り組むことが重要である。
 最後には、A-SPICE監査に向けて、A-SPICEと自社プロセスの関係を理解した上で、自社のプロセスや成果物などのエビデンスを使いながら現状を的確に伝えることが重要であると説明された。

【Q3-1】日本のカーメーカーのA-SPICEに対する取り組み状況は?
【回答】日本のカーメーカーは、CMMIもレベル3は当たり前など、品質に対して自信があり、すぐにA-SPICEの監査を行うと言う話は無い。カーメーカー自信の改善のために、受信すると言う取り組みは行われている。現時点では、CMMIが主流のようである。