■第24回ホットセッション 「モチベーションSIGの取り組み紹介とファシリテーション」 NPO国際ファシリテーション協会 理事 本間 直人 氏 1)多様性 グループで活動する際には、グループ内での共通認識が重要になる。人は、それぞれ過去の経験によって、物事の捉え方が全く異なる。これを体験するために、任意の乗り物を説明する実験を行った。例えば車であれば、ハンドル、タイヤ、ライト、ガソリン等がどのようなものかをカードに記載し、数名のグループで記載内容を話し合った。その話し合いの状況をグループ発表することで、人によって受け取り方が違うことを受講者が体験した。会話は通じているようで、通じていない事実があり、オブジェクト化されてパーツになっている言葉は、経験がないと分らない。例えば、レストランを例に、大皿、小皿の大きさなどの認識は、個人の経験によって左右されることを解説された。 ポイントは、個人から情報を引き出す傾聴の技術が重要だということ。個人の強みを引き出し、更に伸ばすことでモチベーションと組織能力を強化することが重要で、個人の問題解決ではモチベーションも上がらない。目標設定をして、実現させるための行動計画を立てて組織を回すことで、組織自体に可能性の秘めた存在であることに気づき、モチベーションが上がってくる。 2)ファシリテーション ファシリテーションには、物事を容易にする触媒の作用のような意味がある。本来進むべき方向に進むことを助け、進む力を妨げる要因を回避しつつ、参加者1人1人の自発性や参加意識を高め、衆知を集め、意思決定を促進することを目指す。例えば、グループで共通のゴールに向けて作業をするときに、そのプロセスをいかに効率的に進めるかが、ファシリテーションである。作業の効率化に行き詰まった時、現状を整理し、グループ員の共通の認識を得ながら、合意形成し、協調的にゴールを達成させる。上記の解説の後に、ファシリテーションの体感演習を実施した。ファシリテーションを実感するために、グループに分れ、ストローでタワーを作成する作業を実施した。共通の目的を達成するときに、各人の役割と現状の課題を共通認識して、解決策を話し合いながらゴールに向かう重要性と達成感を体感できた。 ポイントは、実際にやってみてPDCAを回す事が大切。場を作って実行した事が楽しくなければ継続が困難になる。如何に喜びを感じ、共感するかが重要である。やって良い事があることに気づくことが大切。言われたことだけをやっていれば良いではいけない。喜びを分かち合う習慣の構築が重要。 【講演2】----------------------------------------------------------------- 「職場を元気にするチームビルディング」 株式会社CIJ 榎田 由紀子 氏 市場競争の激化から製品の短納期化、高機能化が急激に進んでいる。これに対応するために、企業における開発体制がエキスパートを集めたプロジェクト型へと変化し、新たな集団の形成が必要となっている。 従来の組織においては、終身雇用制によって暗黙的に集団が形成されていたが、プロジェクト型開発においては、集団を形成するプロセスが必要になっている。 集団を形成するプロセスは、『ばらばらの個人』→『T.形成期』→『U.騒乱期』→『V.規範期』→『W.実行期』→『X.散会期』という段階で進む。チームビルディングでは、『U.騒乱期』を乗りこえて『W.実行期』に到達するために、『T.形成期』が重要とされている。 PS(Partner Satisfaction)調査の結果、良いコミュニケーションが、チーム力を高めることが分かっている。『T.形成期』においては、プラスのストローク(もらうと元気になる刺激)を多く交換して信頼関係を築く。そして、『U.騒乱期』においては、感情に巻き込まれずに話ができるように、お互いのギャップに気づき、分かり合い納得することが大事であることが紹介された。 最後に、ヒューマン系のスキルは、スポーツと同じで訓練によって高めることができる。理論より実践が大事であると話を締めくくった。 【講演3】----------------------------------------------------------------- 「コーチングでチームのモチベーションアップ! 〜気づきが行動に変わるコーチングをロールプレイで体感〜」 (財)生涯学習開発財団 認定コーチ 藤原 みどり 氏(「CC八起会」所属) 大きな流れとして、20分程度の講義の後、グループワークとロールプレイを実践し、最後に明日から実践することを全員が1人ずつ宣言して終了した。 講義では、コーチングについて「指示命令して動かすのではなく、部下の話を聞いて質問で考えさせ、自ら問題解決への糸口を見つけ、行動を起していけるように導くための、コミュニケーションの手法」であるとの説明がなされた。そして、その具体的な手段として「傾聴」、「承認」、「効果的な質問」、「フィードバック」の活用について説明があった。特に「効果的な質問」については、「閉ざされた質問」(Yes・Noで答えられる。考えを絞る、事実を明確にするときに有効)と「開かれた質問」(自由に考えを広げて、多数の選択肢を出すときに有効)との使い分けについて、具体的な質問例を示しながら重点的に説明された。 グループワークでは、主に「傾聴」、「承認」、「フィードバック」の実践を行った。5人1組のグループに分かれ、予め用意された20項目からなる「普段の部下への接し方を振り返るアセスメント」への回答を基に、1人2分の持ち時間で気付いたことや感じたことを話す。そして、グループ全員で傾聴すると共に、持ち回りでフィードバックを行うなどした。最後に各グループの代表が話し合った結果を発表して締め括った。 ロールプレイでは、差し支えのない範囲で各参加者が実際に悩んでいるテーマを題材に取り上げ、3人1組のグループに分かれてコーチ役、クライアント役、オブザーバー役を交互に実践した。コーチ役は、クライアント役に対し「傾聴」、「承認」、「効果的な質問」を実践する。オブザーバー役は、ロールプレイの様子を観察し、ロールプレイ終了後、コーチ役に対し「フィードバック」を実践する。フィードバックは、予め用意された「フィードバックシート」に観察結果を記入しておき、最終的にコーチ役にプレゼントされた。 本講演では講義に加えて、上記のようなグループワークとロールプレイを通じ、「『傾聴』とは、言葉以外からも聞き取り、感じ取ること」、「『承認』とは、良い悪いの判断をせず、まず相手の考えを受け入れて認めること」、「『効果的な質問』とは、相手に考えさせ、行動に繋げるための質問である」ということを、参加者に身を以って理解させ、実践して身に付けることの大切さに気付かせるものであった。 |